綾瀬川鐘か淵
AreaSceneSeasonEtc

名所江戸百景 No.63綾瀬川鐘か淵

 隅田川は千住大橋から少し東流して、南へ大きく方向を変えている。この曲がったところへ東北から合流していたのが綾瀬川である。この合流点より隅田川をやや南へ下った所に鐘が淵があった。この淵の名の由来には諸説あるが、寺の釣鐘、半鐘、巨鐘など、要するに鐘を舟で運んでいる途中に、鐘をこの淵で落として沈めてしまった。そこで鐘を引き上げようとしたが、水草が非常に繁茂していたとか、水底に住んでいた水神が、鐘を手放すのをしぶっていたとかで、鐘を取り戻すことができず、鐘は水中に沈んだままだということから、この淵に鐘が淵という名前が付いたというものである。
 綾瀬川の河口は、この絵の中央、隅田川の対岸に描かれている。綾瀬川の方へ向かって、男が筏を竿で漕いでいる。この辺りに渡しがあり、江戸湾の潮が高くなると、潮が隅田川を遡ってこの辺りまで来たので、この渡しを、潮入りの渡しと言っていた。江戸時代には、荷物を運ぶためにこのような筏も使われていたという。
 前景に描かれている木は、合歓木(ねむのき)である。この木は枝に小さな葉を付け、この葉は夜になると閉じて垂れ下がり、あたかも寝たように見えたのでこの名が付いた。この木は初夏になると夕べに紅色の美しい花を咲かせた。実は、この合歓木の花は、綾瀬川の土堤が名所として有名であった。広重は構図上の必要性から、この木を隅田川の手前まで引き寄せて、この絵を描いたものと思われる。

綾瀬川鐘か淵


¥32,000 (税抜)
日本円 (¥) - JPY
  • 日本円 (¥) - JPY
  • United States dollar ($) - USD
カートに入れる

※こちらの商品には専用額が付属しています

>> 専用額について詳しくはこちら

本商品は江戸時代より変わらぬ技術・技法を継承し、伝統の多色摺り木版画を制作する「江戸木版画」というブランドとして、経済産業大臣指定伝統的工芸品、東京都伝統工芸品に指定されております。

・越前生漉奉書使用
・版画寸法:タテ約34cm×ヨコ約22 cm
・額入り(専用額について)

※ 額無しでのご注文も承っております。備考欄に「額無し希望」とご記入をお願いいたします。折り返しのメールにて金額を変更いたします。

江戸時代の地図


綾瀬川鐘か淵 > 復刻古地図を見る

現在の地図


> 大きい地図で見る

関連浮世絵


復刻浮世絵専用額


専用額1 専用額2

深いブラウンがモダンな印象の木製額で、シンプルなデザインはどのようなインテリアにも馴染みます。 浮世絵木版画は寸法の比率が特殊であるため、既成の額では余白と作品のバランスが不自然になってしまうことが多いですが、こちらの専用額をご利用いただければ、商品が到着したその日から、作品を美しく飾っていただけます。また、紐を通し替えるだけで簡単に縦横どちらの向きでもお使い頂け、作品の入れ替えはとても簡単です。 ガラスの代わりに丈夫で軽いアクリル板を使用していますので、輸送や持ち運びも安心です。

  • 対応商品:復刻浮世絵作品
  • 寸法:縦51.0cm x 横35.0cm x 厚さ2.0cm
  • 材質:木材・アクリル
  • 重さ:1.3kg
  • 日本製

SHOPPING BAG

綾瀬川鐘か淵
数量: 1 価格: ¥32,000
小計¥32,000
カートを確認する