砂むら元八まん
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名所江戸百景 No.29砂むら元八まん

 砂村は江戸の南東、隅田川と中川との間に位置していた。この地域一帯は江戸湾に面した湿地ないしは、干潟であって時々潮水で洗われていた。
 この地を最初に埋め立てたのは、摂津国出身の砂村新左衛門で、万治二年(1659)に浮島状態にあった、宝六島周辺を埋め立てて新田を開拓し、その子孫たちもそれを受け継いで開拓を続け、次々に新田を開拓していった。かくして完成した新田を、開拓者の名前を取って砂村と称した。
 この砂村の海浜に面した洲崎に、昔八幡宮があった。この社の創立年代は不明であるが、江戸時代の初めごろ、荒れ果てていたこの八幡宮を、長盛法印という者が深川の永代島に移して、富岡八幡宮を創建した。しかし砂村には元の宮居がそのまま残っていて、村の人たちはこれを「元八まん」と呼んでいた。
 この絵には描かれていないが、元八まんの境内には模造富士があり、実物の富士山に登れない人々がこの富士に登っていた。この絵の右下の隅に元八幡の鳥居が立っており、八幡社の境内には桜の木が多く植えられていて、江戸の桜の名所の一つとなっていた。
 この社の東南方には、蒼々とした海が広がっていて、その上には、白帆の舟が点々として浮かび、また水平線上には、房総半島が霧のように横たわって見えた。

砂むら元八まん


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本商品は江戸時代より変わらぬ技術・技法を継承し、伝統の多色摺り木版画を制作する「江戸木版画」というブランドとして、経済産業大臣指定伝統的工芸品、東京都伝統工芸品に指定されております。

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・版画寸法:タテ約34cm×ヨコ約22 cm
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