観音さまと新吉原で江戸一番の賑わい
収図範囲は、浅草・下谷北部と南千住・日暮里。江戸最古の歴史を誇る金龍山浅草寺の本尊は聖観音菩薩で、坂東三十三観音霊場の札所としておおいに賑わった。雷門から仁王門までの仲見世には多くの店が立ち並ぶ。本堂東の三社権現(浅草神社、三社様)の社殿は家光が寄進したもの。寺院が密集する新寺町の源空寺には、幡随院長兵衛・谷文晁・伊能忠敬などの墓がある。田地の「おはぐろどぶ」に囲われた矩形の場所は、幕府公認の遊廓・新吉原。内には大小の見世がある。芝居の猿若町も賑わいの町だが、近くの仕置場、小塚原刑場では約20万人が処刑されたという。