相州仲原は、現在の神奈川県平塚市中原のことと考えられている。当時は大山詣でに通ずる街道として多くの往来をみたが、この図のように鄙びた土地であった。画中には、往来の賑わいそ示すかのように旅の商人、農夫などが描かれているが、やはり大山詣でと思われる男性もみられる。季節は大山ヘ参詣する6月から7月にかけてとみられるべきで、色調も全体に晩夏から初秋の明るい雰囲気でまとめられている。
しかし不思議なのは、富士が山頂から中腹にかけて雪に覆われていることで、何らかの北斎の意図があるものと思われるが、明らかとはなっていない。
>> 専用額について詳しくはこちら