月の岬
AreaSceneSeasonEtc

名所江戸百景 No.82月の岬

 この絵の表題にある月の岬は、特定の場所を示したのではなく、月のよく見える岬を指したものと思われる。芝高輪から品川にかけて、東海道は江戸湾に沿って通っており、この間の何れの台地からも、海の水平線上に上る月を、真正面に見ることができた。江戸時代の人々は、水に映る月を鑑賞するのを特に好んだと言われ、この辺りの海浜は、江戸における有名な月見の場所となっていた。そのためこの辺りには月の岬と称する場所の記録が幾つも残されていて、広重がその中のどの地を選んでこの絵を描いたかは定かでない。
 しかし月見には酒宴がつきもので、観月の宴を催せる場所として、広重は品川宿の料理屋の一室をここに描いたものと思われる。通説では、品川宿の有名であった妓楼「土蔵相模(どぞうさがみ)」をここへ借りて来て設定したものだとも言われている。
 月見とは一般に、秋の澄みわたった空に出る美しい月、特に8月15日の満月を見ることを言った。江戸時代の秋とは、陰暦の7、8、9の3ケ月をいい、真中の月である8月15日の満月は仲秋の名月とも称された。この絵の部屋の開け放たれた窓からは、すでに中天にまで上った満月が見えている。観月の宴は一段落したのであろうか、部屋には客の姿はなく、人影は左の障子に影絵のように映っている女と、右方の障子の背後に見える芸者らしき女のみである。

月の岬


¥32,000 (税抜)
日本円 (¥) - JPY
  • 日本円 (¥) - JPY
  • United States dollar ($) - USD
カートに入れる

※こちらの商品には専用額が付属しています

>> 専用額について詳しくはこちら

本商品は江戸時代より変わらぬ技術・技法を継承し、伝統の多色摺り木版画を制作する「江戸木版画」というブランドとして、経済産業大臣指定伝統的工芸品、東京都伝統工芸品に指定されております。

・越前生漉奉書使用
・版画寸法:タテ約34cm×ヨコ約22 cm
・額入り(専用額について)

※ 額無しでのご注文も承っております。備考欄に「額無し希望」とご記入をお願いいたします。折り返しのメールにて金額を変更いたします。

江戸時代の地図


月の岬 > 復刻古地図を見る

現在の地図


> 大きい地図で見る

関連浮世絵


復刻浮世絵専用額


専用額1 専用額2

深いブラウンがモダンな印象の木製額で、シンプルなデザインはどのようなインテリアにも馴染みます。 浮世絵木版画は寸法の比率が特殊であるため、既成の額では余白と作品のバランスが不自然になってしまうことが多いですが、こちらの専用額をご利用いただければ、商品が到着したその日から、作品を美しく飾っていただけます。また、紐を通し替えるだけで簡単に縦横どちらの向きでもお使い頂け、作品の入れ替えはとても簡単です。 ガラスの代わりに丈夫で軽いアクリル板を使用していますので、輸送や持ち運びも安心です。

  • 対応商品:復刻浮世絵作品
  • 寸法:縦51.0cm x 横35.0cm x 厚さ2.0cm
  • 材質:木材・アクリル
  • 重さ:1.3kg
  • 日本製

SHOPPING BAG

小計¥0
カートは空です