富士はすでに雪化粧をしており、刈り入れ後の田は一面黄色で表現されていて、季節感あるー図といえる。
画面前面の行列は、千住大橋をわたり奥州街道を通って国元ヘ帰る大名行列なのだろう。右端には駕籠を担ぐ男、その後ろに2人の武士がみえるが、それに続くのは鉄砲隊の面々である。各々は揃いの木目風な羽織を着て、肩には鉄砲を担い歩を進めているが、みな左右を見回しあまり統率された様子ではない。江戸を離れる名残惜しさからか、それとも遠景にみえる建物が花街であるからだろうか。そのような落ち着きのない様子を笑うかのように、畦道では2人の女性が楽し気に行列を見送っている。
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