巨大な浪が飛沫をあげながら、今まさにくだけ落ちょうとしている。小舟は、襲いかかる波濤にこらえて航行を潮流にまかせているかにみえる。
北斎は、まるで同じような舟に乗って、この光景を描写しているかのように視線を低くとり、波も富士も見上げているので、迫力ある臨場感が表出されているのである。
揃中、三役と呼ばれる代表図であり、あまりにも著名なー図であるが、本図発表より約30年前に、同様な発想の「おしおくりはとうつうせんのづ」という作品があることを付記しておきたい。
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