赤坂桐畑雨中夕けい
AreaSceneSeasonEtc

名所江戸百景 No.119赤坂桐畑雨中夕けい

 この絵の作者は落款に示されているように、二代目広重である。「名所江戸百景」の出版元である魚栄が、二世広重を引き立てる目的で、彼の絵をこのシリーズに加えたものと思われる。
 赤坂桐畑とは、赤坂から山王権現社のある山王台地の麓に沿って、虎の門まで達していた溜池の西岸で、桐の植わっていた所を指す。この池は周囲の台地の湧水が流れて来て、自然に溜まった池であることから溜池と呼ばれていた。この池の西北の池畔の空地で、桐の木が栽培されていて、これを桐畑と言っていた。この絵の前景にその桐畑の一部が描かれている。初代広重はこの桐畑を前景にして、溜池の南方を望んだ景色を描いているが、二世広重は逆に桐畑を前景にして、溜池の北方の池畔を望んで描いている。
 溜池は江戸城の外堀の役目を果たしており、その北岸には江戸城の赤坂御門へ向かう坂道があった。この絵では迫り来る夕闇と、篠突く雨で暗く煙る中を、傘を差して坂を往来する人々が描かれている。坂を上り詰め、赤坂御門を潜って入った左には、紀伊家、井伊家、尾張家の屋敷が続いていた。この絵の遠景に見える森は、これらの屋敷内にあったものであろう。
 桐畑の手前の道を歩いている4人は、赤坂御門を目指しているのであろうか。前を行く2人は武士で、共に長合羽を着、下駄を履き、蛇の目傘を差している。長合羽には刀が差せるようにと、穴があけられていた。供の2人は中間と思われ、傘の代りに菅笠を被り、短い合羽を着ている。この合羽は桐油合羽といい、赤い紙に桐油を引いたものである。色が赤いところから、俗称赤合羽ともいわれた。なお、この2人が何を履いているかについては、この絵からは定かではない。

赤坂桐畑雨中夕けい


¥32,000 (税抜)
日本円 (¥) - JPY
  • 日本円 (¥) - JPY
  • United States dollar ($) - USD
カートに入れる

※こちらの商品には専用額が付属しています

>> 専用額について詳しくはこちら

本商品は江戸時代より変わらぬ技術・技法を継承し、伝統の多色摺り木版画を制作する「江戸木版画」というブランドとして、経済産業大臣指定伝統的工芸品、東京都伝統工芸品に指定されております。

・越前生漉奉書使用
・版画寸法:タテ約34cm×ヨコ約22 cm
・額入り(専用額について)

※ 額無しでのご注文も承っております。備考欄に「額無し希望」とご記入をお願いいたします。折り返しのメールにて金額を変更いたします。

江戸時代の地図


赤坂桐畑雨中夕けい > 復刻古地図を見る

現在の地図


> 大きい地図で見る

関連浮世絵


復刻浮世絵専用額


専用額1 専用額2

深いブラウンがモダンな印象の木製額で、シンプルなデザインはどのようなインテリアにも馴染みます。 浮世絵木版画は寸法の比率が特殊であるため、既成の額では余白と作品のバランスが不自然になってしまうことが多いですが、こちらの専用額をご利用いただければ、商品が到着したその日から、作品を美しく飾っていただけます。また、紐を通し替えるだけで簡単に縦横どちらの向きでもお使い頂け、作品の入れ替えはとても簡単です。 ガラスの代わりに丈夫で軽いアクリル板を使用していますので、輸送や持ち運びも安心です。

  • 対応商品:復刻浮世絵作品
  • 寸法:縦51.0cm x 横35.0cm x 厚さ2.0cm
  • 材質:木材・アクリル
  • 重さ:1.3kg
  • 日本製

SHOPPING BAG

小計¥0
カートは空です