芝うらの風景
AreaSeasonEtc

名所江戸百景 No.108芝うらの風景

 芝浦は、汐留橋から高輪辺りまでの海浜を指した。ここには多くの漁師が住んでいて、雑魚場(ざこば)といわれる前面の海で小魚を獲っていた。美味な魚が多く、江戸っ子たちはここで獲れた魚を芝肴(しばざかな)と称して賞味した。のちになって、この肴は江戸の前で獲れたから「江戸前(えどまえ)」と名付けて珍重するようになった。
 芝浦の北端近くに浜御殿(はまごてん)があった。この絵の右側、石垣の上に松が青々としている所がそれである。ここは寛永の頃(1642-44)までは葦が茂っていて、将軍家の鷹狩場であった。四代将軍家綱(いえつな)の弟綱重(つなしげ)は、ここを譲り受けて下屋敷を建て、邸内に庭園を造った。その子の家宣(いえのぶ)が六代将軍として江戸城へ移って行ったことから、この屋敷を浜御殿というようになった。この御殿は夏の暑い時には、将軍の避暑地としても使われたと言われている。
 御殿前の海中には御留杭(おとめぐい)と称する木組みが4本立っていて、水位が分かったので船はこれを見て浅瀬を避けながら進んだ。浜御殿の先の沖に、土盛りがいくつか描かれている。近いように見えるが、これらは幕府が黒船撃退のために、品川の御殿山(ごてんやま)を削った土で、品川沖に築いた御台場である。(参照 名所江戸百景No.28) 近景に、海上を何羽も飛んでいる鳥は百合鴎(ゆりかもめ)である。平安時代の歌人在原業平が、隅田川を渡る時に、和歌に詠んだ都鳥とは、この鳥であった。
 ここより北にあった江戸湊から南の品川までは、関西方面から江戸へ消費物資を運ぶ船が白帆を上げて頻繁に行き交う海であった。

芝うらの風景


¥32,000 (税抜)
日本円 (¥) - JPY
  • 日本円 (¥) - JPY
  • United States dollar ($) - USD
カートに入れる

※こちらの商品には専用額が付属しています

>> 専用額について詳しくはこちら

本商品は江戸時代より変わらぬ技術・技法を継承し、伝統の多色摺り木版画を制作する「江戸木版画」というブランドとして、経済産業大臣指定伝統的工芸品、東京都伝統工芸品に指定されております。

・越前生漉奉書使用
・版画寸法:タテ約34cm×ヨコ約22 cm
・額入り(専用額について)

※ 額無しでのご注文も承っております。備考欄に「額無し希望」とご記入をお願いいたします。折り返しのメールにて金額を変更いたします。

江戸時代の地図


芝うらの風景 > 復刻古地図を見る

現在の地図


> 大きい地図で見る

関連浮世絵


復刻浮世絵専用額


専用額1 専用額2

深いブラウンがモダンな印象の木製額で、シンプルなデザインはどのようなインテリアにも馴染みます。 浮世絵木版画は寸法の比率が特殊であるため、既成の額では余白と作品のバランスが不自然になってしまうことが多いですが、こちらの専用額をご利用いただければ、商品が到着したその日から、作品を美しく飾っていただけます。また、紐を通し替えるだけで簡単に縦横どちらの向きでもお使い頂け、作品の入れ替えはとても簡単です。 ガラスの代わりに丈夫で軽いアクリル板を使用していますので、輸送や持ち運びも安心です。

  • 対応商品:復刻浮世絵作品
  • 寸法:縦51.0cm x 横35.0cm x 厚さ2.0cm
  • 材質:木材・アクリル
  • 重さ:1.3kg
  • 日本製

SHOPPING BAG

小計¥0
カートは空です