庶民の近場の遊山には格好のエリア
収図範囲は、小石川・本郷・湯島・根津・谷中一帯。絵図中央を南北に横切るのは中山道(追分からは西側の道)。絵図左下の神田明神社は平将門を祀り、もとは大手町近辺にあったが江戸開府の際、御城の鬼門にあたるこの地に遷座した。道を隔てた聖堂は孔子を祀るが、幕府の学問所・昌平黌(昌平坂学問所)も設けられた。聖堂から不忍池方面に向かえば富籤で知られる湯島天神へ。さらに歩を進めば根津権現がある。綱吉が5代将軍に就任の際、社殿を奉納したという。このあたりは花や眺望が楽しめ、多くの人出で賑わった。加賀中納言殿の御守殿門が現在の東大赤門。