江尻は、現在の静岡県静岡市清水区で、この景観は姥ヶ池辺を描いたものといわれる。
画面は、大きく蛇行する土手を往来する人たちが、強風に悩まされながら歩行する様子が描かれている。ここでは、絵に描きにくい風を、笠を押さえる男や、また飛び散る懐紙や笠などで見事に表現した、北斎好みなー図となっている。こうした手法は、後の浮世絵師たちにも少なからず影響を与えているが、北斎自身も絵手本の中で何度も同様な図を描いていることから、気に入った構図の一つであったことが窺われるものである。
>> 専用額について詳しくはこちら